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2007年1月 6日 (土)

黒川昭登著 『子どもの心の声を聴く-傷つく心-』 朱鷺書房

「過食、拒食、不登校、暴力、多動(ADHD)、チック、リストカット、アトピー性皮膚炎、尿失禁、不眠、妄想、便秘、自閉、母性喪失・・・。

「子どもの心に耳を傾け、母親の愛情を子どもに伝えることができたとき、それらの症状は克服されることを、いくつかの事例を中心に解説する。」(表紙カバーより)

 「子宮外胎児期」という言葉がある。人間は母親の子宮内で約10ヶ月の期間-胎児期-を過ごす。その後、母親の胎内から外へ出る。完全に無力な状態で・・・。最低でも一年間は母親の保護の下に過ごす必要がある。

 この時期を「子宮外胎児期」という。外に出たとはいえ、これもあくまで胎児期であるという意味である。この時期に人は自らの土台を形作る。肉体的にももちろんだが心理的にも・・・。基本的信頼感を備える重要な時期である。この時に「母親」との物理的な庇護はもちろん情動的交流が不可欠である。これは、父親でもなく祖父母でもなくあくまで母親なのだ。

 この本は、この事実の重要性を著者自らのカウンセリング面接経験を通して、豊富な事例を挙げて述べている。乳幼児期の母子関係の重要性と、もしそれがうまくいかなかった場合でも、適切な援助の下で後で充分に取り返せるという力強いメッセージでもある。

 母子関係の重要性にふれることは現在日本のタブーになっているとすら思う。母親以外の誰でもよいというのが常識化している。しかし、この本ではそれが間違いであることを主張している。ある意味、当たり前だが、現代においては極めて大胆な提言でもある。

 私も自らの面接経験からこの時期の母子関係の重要性を認識させられるばかりである。是非とも多くの人に読んでいただきたい本である。

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