充実した時間を頂く-通信教育課程スクーリング-
科目は社会福祉援助技術演習。このスクーリングのおもしろいところは多様性だ。まずは、年齢の多様性、社会人が全部なので20代から50代、時には60代という広い年齢層になる。地域の多様性。日本全国、いろんなところから来られる。今のところ外国からの方を担当したことはないが・・・。そして、職業の多様性。すでに社会福祉関係の仕事に就いておられる方もおられるが、ビジネス、看護、主婦等様々である。いわゆる大学生は年齢が同一、無職と限りなく単線的なの対して、ここが通信教育課程の醍醐味と言えるかも知れない。
皆さん人生のいろいろを体験し、一念発起して主体的に学習に望んでおられるので自然と熱気を帯びたクラスとなる。普段は、孤軍奮闘テキスト履修に取り組んでおられるから少々お疲れ気味の時もあり、こうやって仲間達と出会うことによってずいぶんと励まされるようである。
幸いにも10人までの少人数。2日間、朝8時から7時までの強行スケジュールとなるがまたとない深い交流の時間になるという利点もある。演習だから講義は最小に、クラスメンバーとのヤリトリを中心に行っていく。ほんといろんな交流が生まれる。まさにグループワークの体験学習そのものと言える。最初は、少々緊張気味。しかし、次第に意見や気持ちを交換し合う中で交流が生まれ、2日目には輪がどんどん小さくなっていく印象であった。
扱ったテーマは、社会福祉援助技術の体系、私のクリニカル・ソーシャルワークとしての実践事例、社会福祉援助技術の人間観、成長促進的関係のあり方、リスニングを中心としたコミュニケーションの体験学習。面接のデモンストレーションである。こういった柱を中心にそれぞれの人生や職場での取り組みや悩みや相談が出され、それらが混ざり合ってまるで1つの織物でも出来るようなそんな時間を共有させていただいた。
私は、自分の知識や体験を提供すると同時に皆さんのよき聞き手になることをめざしていった。デモンストレーションでは15分の実際の面接に近いものを提供させていただいた。今、終わってみて、それに見合うだけのよい意味での疲れと共に心地よい充実感が残っている。
担当は1年に1回。今年は年末にもう一クラスを担当することになっている。いわば私の大変価値のある時間でもある。学習援助のあり方、社会福祉に対する思いを新たにし、メンバーからの発言からアイディアをもらったり、こちらの深い学習にもなっている。まさに「育ち合う場」だなと思わせていただいている。
と同時に、いわゆる「大学」もアメリカのような「コミュニティカレッジ」としてもっと幅広い学生達を受け入れていったらよいのにと思っている。日本の教育機関は単線的過ぎる。
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