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2010年10月14日 (木)

相談援助演習-出会いと気づき-

 大学の授業が始まっている。担当科目のひとつに相談援助演習という科目がある。文字通り相談援助に関する技術、態度、実際を講義ではなく演習形式で行うもの。3年生と4年生とがある。

 

 3年生はまずはコミュニケーション演習を行い、人との関係に慣れてもらうことを目標にしている。教材は、一人一人。今、ここでの出会いとヤリトリを大事にする。チェックインと名付けている。まずは始めに一人一人伝えたいことなんでもよいから出し合うことにしている。ほんとなんでも良い。日常生活のこと、関心を持っていること、困っていること・・・。いろんな話しが出てくる。学生は今まではとにかく課題が与えられてそれについて話したり、取り組んだりすることばかりをしてきているから最初はこのオープンな場に大変戸惑うようである。何を話したらよいのか戸惑うようだ。しかし、慣れてくると友達が日々こんなことを考えていたのかがわかってきたり、自分も話してスッキリしたり、いろんな情報がみんなからもらえたりと楽しくなってくるようだ。話すことは楽しいと感じ始める。ここで大事ななのは教員の姿勢。いわゆる教師ではダメだ。学生の表現する気持ちや考えに耳を傾け、理解しようとすることが必要。そして、どんな気持ちを表現しても尊重することも大事。学校ではついつい、がんばれといい、しんどい気持ちやくじけそうな気持ちは否定される傾向にあるから要注意だ。この場はどんな表現も許されることが大事。もちろん、今までこんなことはなかったが、人を傷つける言葉はストップをかける必要がある。

 

 慣れてきたらそれにフィードバック・ゲームと名付けた傾聴練習を少し取り入れる。相手の表現することを聴きっぱなしにしないでしっかり確認しながら聴いていく練習である。これも最初は大変とまどうようだが次第に慣れてくる。若い人は心がしなやかだから一旦身につき始めるとセンスよく聴くようになってくる。お互いのよい交流にもなっているようである。

 

 4年生になるとこれよりも少し実際の場面に近いことを練習する。エンパシー・ラボと呼ばれているけれど3人1組で、カウンセラー、クライエント、観察者をきめて実際に15分間の面接をする。クライエントは今の自分のことを語ってもらうようにする。つまり、練習といえども実際のカウンセリングに近い状況で行うわけだ。

 

 これも最初はすごく戸惑う。どうやって話しを広げさせたらよいのか、沈黙になったらどうするのか、どうやって結論づけたらよいのかといろいろ悩む。不安にもなる。クライエントになった時は自己開示に戸惑うようである。そういう力はすべて一人一人の内部に存在するのだがその感覚がつかめてくるのには少し時間がかかる。しかし、一旦、つかみ始めるとおもしろくなってくる。気持ちを聴いてもらってスッキリするし、いろいろ気づけるし、聴く要領もわかってくる。今のクラスはこれに向かってプロセス進行中というわけだ。これもお互いのよき交流になり、助け合いにもなり、はたまたリラックスの時間ともなっている。

 

 とまあ、これが私の授業の一環。こちらも伝えるのに戸惑ったりしながら、でも、吸い取り紙のように純粋に吸収してくれる学生に深く学ばせてもらっている。とにかく焦りは禁物。じっくり楽しみながら学生と付き合うことが肝要かと思っている。

 

DSCN0687 
(壇ノ浦)

 

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