大学での学生との交流は楽しく貴重な体験である。
9月27日から大学の後期授業が始まっている。担当している科目についてちょっと紹介。
1.社会福祉援助技術
児童学科保育専修の学生のための講義科目。「援助技術」ではもうひとつ内容を正しく表しているようにも思えないが現在はこうなっている。社会福祉現場に人と人との交流を通して援助を行う場がある。福祉事務所や児童相談所や医療福祉相談など相談援助場面。そして、保育所や児童養護施設や老人ホームや障害者施設といった社会福祉施設などがそうである。その中でいわゆる専門援助者として接する時にどのようなことが必要なのか、どのようなあり方があるのかといったことを探求する科目とでも言えるかな。いわゆる技術では人を援助できない。かといって、ただ人間性といってみても十分ではない。対人援助に関する理論や体験的な学習が必要となってくる。このようなことについて探求していく科目とでも言えるだろう。社会福祉の現場ではまだまだそれが確立されているとも思えない。ましてや現場レベルにまで浸透しているとも思えない。未だ発展途上の領域とも言える。
2.相談援助演習
これは社会福祉士をめざす学生に必修の科目である。講義とは違ってより具体的、体験的に学ぶ場である。面接のあり方、援助的人間関係のあり方について学習を進めている。ところで、これはつい数年前に科目名が変わった。社会福祉士課程が変更されたためである。今までは、社会福祉援助技術演習と言った。相談場面に絞ってより実践的に展開するという目標があるが、逆にそれに絞られすぎてしまった。社会福祉対人援助、いわゆるソーシャルワークは相談援助だけがその領域ではない。小集団に関わる必要もあるし、ひろく地域作りに関わる分野もある。それらをひっくるめてソーシャルワーク(社会福祉援助技術)といっているのであって、相談援助だけに絞ってしまうことは適当ではない。この新カリキュラム、かなり領域を矮小化してしまったところもあり、その手法も強引であった。問題山積だと私には思える。
3.相談援助実習指導
もちろん学習は座学だけではだめで現場で実際に仕事を行いながら学習を進めていく。ほぼ一月の実習が必要である。これも相談援助に絞られてしまったのは問題。しかも、現場と研究者とで理論が統合されている訳でもない。何もかもが未確立だと思えるのが社会福祉の現場実践である。
4.卒業研究
テーマを決めてそのテーマに沿って探求し、論文を書く。私は主に社会福祉対人援助のあり方についてを担当している。まだまだ開拓的分野だなと改めて思う。現場で確立されていないことを探求していく。私は自分のやってきたことを伝える一方、これからの人達に期待すること大である。
概要はこのようだ。この中で私はパーソンセンタード・アプローチを基盤として自分なりに探求してきたものを学生と共有することを行っている。自分と学生、学生同士の交流やお互いの個人的成長を共にするのはきらめくような時間である。やりがいを感じると同時に、これらが刺激になり、卒業後彼らか自分の道を展開していってくれると教員冥利につきるなと思うこの頃である。こういう場をいただいてることに感謝したい。
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