メキシコでのD-pcaワークショップ-その1、ルピタさんのクラスにて
7月23日(火)、ルピタさんが教えているマスタークラスの授業に呼んでいただき、ワークショップを行った。時間は3時間いただけた。人数は8名。ちょうどよい人数であるのでヤリトリ中心のものに出来たらと思っていた。
まずは、チェックインから。今のいどころを順番に自由に出し合っていった。中でもお父様を亡くされ、悲しみの中にいるが、ともかくこのワークショップを楽しみに来たとの発言は心を打った。それぞれに今していることや思いが語られていった。日本での心理療法のあり方や違いに関心をもっておられる方もいた。私のワークショップへの期待が感じられ、とてもうれしかった。
チェックインが終わった後、このままグループにしていこうか、私の思い、特に仏教についてのことを話していこうか少し迷った。皆さんに思いを聞いてみると、是非仏教のところが聞きたいとのこと。早速、始めることにした。
まずは、イントロダクション。D-pcaは仏教(特に真宗)とPCAの交流から生まれてくるアプローチであること。それが独自の成長促進的関係を持っていること。そして、独自の人間観について全体像を話す。ここでは特に生理・心理・行動・社会という全体としての人間に関心をもって聞いて下さった。それぞれのセラピー活動とリンクするからであろう。
そうして、仏教について話していった。まずは、四諦について。苦集滅道という仏教の根本のところを話した。これは苦諦から始まる。生老病死、愛別離苦、怨憎会苦、求不得苦、五縕盛苦の八苦である。ここに抽象的なものは何もない。極めて具体的な私たちの生の相がここに凝縮されている。特に、愛別離苦は今まさにお父様をなくされた方がここにおられ、生々しいものとなった。怨憎会苦、求不得苦も極めて具体的。五縕盛苦についてもとても関心をもって聞いて下さった。まさに自分自身に当てはまっていくのである。
そうして、集諦。この苦しみの原因はあくまで自分自身にある。無明・煩悩より起きる執着がその原因である。愛別離苦の真っ只中の人に自分の執着より起きるというのはあまりにも直接的かと思ったが、逆に、それによって安心していかれるというか、落ち着いて行かれる様子に接して、やはり真理の力は強いなと思った。安易な慰めを真に求めているのではない。やはりありのままの実相を知ることを私たちは求めているのだ。それによって不安に振り回されていくのではない。改めてそれを思った。
滅諦、道諦。苦からの出離は無明の闇を破することである。そのための具体的な道が八正道になる。これも大変興味をもって聞いて下さった。
続いて念仏門。これにはちょっととまどわれたようではあったが、私たちに向かう弥陀の本願力のところはやはり感動をもって聞いて下さった。
そうして、PCAについて要点のみを話し、D-pcaの全体像について西光モデルを使って話した。
どれも関心をもって聞いて下さるのがうれしかった。最後は事例を一つ話す。これもそれぞれの実践とヒットするようで熱の入った話し合いとなった。
幸いにも15分ほどの自由な時間が残った。まさにチェックアウトの時間となり、それぞれの感想を話して下さった。印象的だったようだ。ここに来て良かったと先ほどの父をなくされた方の感想もとてもうれしかった。
ということで、終了。名残惜しい場となった。英語-スペイン語を相互に訳し合うやりとりとなったが、そんな壁を一切感じさせずにお互いが響き合う場になった。ほんとこんな場をもてたことがうれしかった。招待して下さったことに感謝します。
なお、英語の重要な法語は西本願寺国際交流センターから発行されている。「Jodo Shinshu A Guide」より使わせていただいています。パワーポイントに使用したファイルは下記です。
ダウンロード - waeh2019pp.pdf
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