6月の相生D-pca研究会
読んだところは、第2章 ふれ合い育ち合う人間関係の核心はきわめて簡明である。第4節 カウンセリングを成功させる条件は何か。「クライエントに何が伝わっているか」の項を読む。
今までその中核条件として1. 一致、2. 無条件の肯定的配慮、3. 共感的理解を見てきた。この節ではそれらが時に矛盾し合うことを問題提起し、それらがひとつにとけあった心境があることが述べられる。
一致が進めば進むほど自らの中でさまざまな感情が湧くことを体験する。特に場面の中で否定的な感情を体験することも増えてくる。肯定的感情ばかりがうごめくわけではないからだ。この時には一致と無条件の肯定的配慮が矛盾するように見えることがある。そうしてその感情をクライエントに伝えるのか伝えないのかという問題も出てくる。ロジャーズの言葉が紹介され、先生の考えが述べられる。引用してみると、
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「『彼自身(カウンセラー)の感情をすっかり表現し、あるいは吐き出してしまうことが目的なのではなくて、彼が自己自身についてクライエントを欺いてはならないというなのである。時には彼は、彼自身の感情をある程度話さなければならないかもしれない。しかし、それは、彼が次の二つの条件によく適っているときにかぎられる』といっています」
つまり、相手を尊敬するこころと、共感的理解の態度を失わないかぎりにおいて、必要とあれば自分の気持ちをありのままに伝えるということでしょうか」(西光p.75)
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これは私がカウンセリングを学ぶ過程においてまさに体験したことである。最初の内は聞かねばならぬ、聞いたことはフィードバックして確認しなければならぬにとらわれてほんとぎくしゃくしていた。そうして学習が進む内に自分自身の感情をよりありのままに感じられるようになっていった。どの感情もである。自由になっていったのである。そうなっていくとすごく自然な感じで共感的理解もスムーズに進むし、無条件の配慮の度合いも増えるし、そうして自分自身を自然な形で表現することが出来るようになってきた。もちろんそうならないでぎこちないときもあるけれど、その程度と割合が増えてきたのである。
今では、ずいぶん自然な感じで、話しを聞いていてわからないときは、わからないといってさらに聞いていくし、否定的な気持ちが起きたときは自然な感じが起きてきたときに表現するようになってきている。それがその場にいる人たちにずいぶん役に立つこともわかってきている。まさに3つの条件は一体であってそれらが溶け合った心境があるなと今では感じられている。ここがPCAの妙味だなと思えている。
話し合いでは、まず「否定的感情」とは何かという質問が出てそれを検討してみることにした。まずは感情について出し合いボードに書いてみた。そうして右側にある感情を否定的感情といい、左側にある感情を肯定的感情ということを押さえた。これはずいぶん新鮮でここから私も含めていろんな気づきがあったようである。まさに時宜を得た質問であった。(写真参照)
これを見ながら自分自身のいろんな思いや体験を共有し合った。生き生きとした実りある場だったように思う。楽しかった。
次回は、7月14日(火)午後7時半から9時半。場所は当センター。参加費は1,000円です。
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