9月の相生D-pca研究会-技術は「生命尊重」「人間尊重」と深く関わる-
昨晩は相生D-pca研究会。西光義敞『暮らしの中のカウンセリング』第2章の輪読を続ける。今回読んだところは「4.どんなカウンセリング技術があるか」-「情報の提供」、「その他の技術」の項である。
カウンセリング、特に来談者中心療法、非指示的療法では情報の提供は慎むというイメージがあるが実はそうではない。「クライエントの知りたい、学びたい欲求が真に強まったとき、取捨選択の自由をまったく彼にゆだねつつ、カウンセラー自身の価値観を提供したり、カウンセラーのもっている良質の情報を提供することは、クライエントにとって有意義なことであると思います。(p.97)」。ただし、その時もクライエントの気持ちを受容し、敏感にとらえるようにすることはとても重要である。(p.95-96)
私も経験からこのことを本当に思っている。学生との関わり、老人ホーム入居者達との関わり、児童養護施設での子ども達との関わり、我が子との関わり、クライエントとの関わり、はたまた自動車セールス時代に関わった顧客とのやりとりなどの経験を通してその妙味を味あわされてきた。情報提供は必ずしも大事ではない、気持ちの受容や一致した関わりの大事さの方をやはり思うが、かといって、それだけでもない。そのあたりの妙味を思うのである。クライエントの選択の自由、押しつけや指示、強制には注意していかねばならないが、それらが統合されて、どこかで一枚になった心境があるように思う。ここがPCAのおもしろいところだ。
さらに、「その他の技術」の項へと読み進めていく。「他にも『非指示的リード』とか『激励』とか、いろいろな技術がとりあげられたこともありました。しかし、それらの種類や特色を知るよりも、これまで述べてきた諸技術の体得に徹することのほうが、カウンセリング質を高めることがいよいよはっきりしてきました。(P.97)」は心を打つ。
そうして、締めくくりとなるこの言葉が私の心を打ち、捉えて離さない。
「しかし、一見、葉っぱのように見えるカウンセリングの技術も、その枝を見、幹をさぐり、元をたずねると、大地にしっかり根づいた大自然の生命が躍動する、「生命尊重」「人間性尊重」の哲学的巨根にゆきつきます。この根っこを培いながら、カウンセリングの大樹ぜんたいを、私たちは健やかに育てていきたいのです。枝・葉を切りはなして、それを、何かほかの目的のために利用しようとするカウンセリング観とは、なじまないわけです。(p.98)」
私がPCAに惹かれ、それと共に人生を歩んで来て、これからも惹かれ続けていく理由がまさにここにあるなと改めて思った次第である。
ここで大きなキリとなったので輪読はここですませ、後は自由なヤリトリとなった。これも有意義な時間であった。
次回からは、「5.静かな革命が進行している」、「カウンセリングによって人はこう変わる」に進んでいく。
日時は、10月6日(火)午後7時半から9時半まで。場所は当センター。
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