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2020年10月 7日 (水)

10月の相生D-pca研究会-PCAによって人はどう変わるのか-

 昨日6日(火)は、相生D-pca研究会。西光義敞『暮らしの中のカウンセリング』の輪読を続けていく。仏法とPCAの交流から生み出されるこのアプローチは、それぞれへの理論的、体験的学習が必要である。まずは虚心になってふたつを切り離して学習することが大事になろうかと思う。この研究会ではPCAを中心に理論的な学習を進めてきている。といっても机上の空論ではなく自らを通した学習である。

 今回読んだところは「第2章ふれ合い育ち合う人間関係の核心はきわめて簡明である」から「5.静かな革命が進行している」。「カウンセリングによって人はこう変わる」の節を読んでいった。もちろんこの場合のカウンセリングはPCA(人間中心アプローチ」)を指す。

 まず、今まで述べてきた「成長促進的なカウンセラーの基本的態度、態度の基盤および態度の表現」の総まとめが行われた。図3に見事にまとめられている。

 

Saiko1

 

 人間観、態度、態度表現の技術と順番に右にわたっていく。そうしてこの態度学習は無限に深められていく。それが点線と→で表されている。「その態度の深さに底はありません。さまざまな経験学習や意図的訓練によって、無限に深めることができる(西光p.99)」のである。

 まさにこれは私たちの体験学習とも合致する。グループ体験は特に大事。それを積み重ねていくこと、それに身を置いていくことで体を通してじっくりと味わっていける。これが尽きない魅力である。まさに一生仕事なのだ。ここに出会ったことは本当に意義深いし、安心する。

 そして、著述はクライエントがどう変化していくかに進んでいく。それをロジャーズはきわめて科学的な手法で測定し、明らかにした。それが図4に表れている。「ストランズ」と呼ばれているものである。

Saiko2
 ここでは詳細は割愛されたが右端の一筋・幹に人は変わっていくというのだ。以下のまとめの言葉で表されていっている。少々長くなるが味わい深いのでそのまま引用したいと思う。

***************
(1) 仮面をかぶった見せかけの自分から、しだいに、ありのままのすなおな自分に変わっていく。

(2) 他人から注入された「・・・・・すべきである」という構えから、しだいに、自分の自由と責任においてものごとを選択していくようになる。

(3) まわりの期待にそうような生き方から、しだいに、失っていた自己をとりもどし、自分の納得するような生き方に変わってくる。

(4)自分をおしころし、他人を喜ばせることを第一にしていたような生き方から、かけがえのない自分の、真の欲求を大事にするような生き方に変わってくる。

(5) 思いこみ、きめてかかり、「絶対」と固執することからはなれ、流動し、変化する過程の中で、柔軟にものごとをとらえられるようになる。

(6) 自分や他人やものごとにたいする感情を一方的に固定し、それにとらわれていた状態から、複雑で矛盾さえはらみ、たえず変動してやまない感情を、ありのままに受け入れられるようになる。

(7) 自分自身のいやな経験から目をそらせ、逃げかくれしていた状態から、いかなる経験をもそのまま受けいれ、大事にしていくという方向に変わってくる。

(8) 他人を評価的、批判的、否定的にしかみられなかった態度から、他人の中にも自分の中にも、「個性をもった人間」のすばらしさがみられるような態度に変わってくる。

(9) 頭に描いた自分、「自己像」にふりまわされて、ありのままの自分をいじめるような生き方から、どんな現実を経験しようと、経験するままの自分を愛し、信頼し、大事にすることができるような生き方に変わってくる。

これを一言で表現すれば、「十分に機能する人間」になるとか、「自己実現」をめざして生きるということになるのでしょうか。

(西光p.101-102)
**************

 そうしてこれは前述した援助的人間関係そのものでもあるのだ。まさに表裏一体の関係だ。つまり、人は成長することによって援助的になるということなのである。参加者から共有された気づきから改めてこのことを思わせてもらった。

 これはこのままPCAに出会った自分自身の気づきや体験にも当てはまる。20才の時に出会ってからPCAは私の人生の一つになった。その一コマ一コマにおいて様々に葛藤したり、悩んだりしてきたけれど、それを通してありのままの自分に出会ってきたプロセスを改めて思う。それはこれからも続く。参加された方々も自分に振り当てて味わっておられた。味わい深い一時だった。

 次回は、11月10日(火)午後7時半から9時半まで。場所は当センター。
http://www5f.biglobe.ne.jp/~yamakaz/Dpcakenkyukai.htm

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