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2021年11月15日 (月)

伊東 博『カウンセリング[第四版]』-ロジャーズと東洋思想-

 ハンドブックの文献調べをしていてあらためて伊東博氏の功績を思った。ロジャーズのパーソンセンタード・アプローチは東洋思想(特に老子)の影響がすごく見られるがそのことにいち早く気づき、その観点からカウンセラーの態度について説明しておられる。

 

 その著書は1966年に出版された『新訂・カウンセリング』でここにそのことが述べられている。これは1995年にさらに改訂され第四版として出版されている。第Ⅶ章に記述されている。

 

 1966年版は私自身30代の頃にカウンセリング・ワークショップに通いながら氏の著書にふれて感銘をうけたことを思い出す。そうだったのか私たち東洋文化の中にカウンセラーの促進的態度に通ずることが述べられていたのかとあらためて東洋文化に関心を持ったのである。もともと私は東洋思想に関心があったのであるがそう詳しくは知らなかった。ここで改めてそのことに気づき、さらに興味が深まったわけである。ちょうどロジャーズというアメリカ産の鏡に照らされて、自身の文化について深く知るということになったわけだ。

 

 その観点でもう一度ロジャーズの提唱する態度条件を見てみるとまさにそうなのだ。この態度条件は「行う(doing)」ことの体系ではない。「ある」ことの体系なのだ。カウンセラーの「あり方(being)」が面接の中でとても大事なことになる。カウンセラーは「する(doing)」ことを止める、そして自分自身に耳を傾け、クライエントに耳を傾け、それを伝え合うのである。これは体全体でだ。その状態でいるとクライエントはその本来の力でもって自ら気づき、自らが動いていくのだ。この妙味がまさにカウンセリングの醍醐味である。これってずいぶん東洋的な考え方なのだと思う。

 

 伊東博氏はそのことに早くから気づいておられた。そして僚友であった友田不二男氏もそのことに気づかれ、さらにご自身の方向を探求して行かれたのだ。黎明期の日本のカウンセラーの人たちがそのようであったことはとても興味深い。それを礎に日本のカウンセリング実践が発展していったのだと思う。惜しいことにお二人ともすでに亡くなられた(伊東氏は2000年に、友田氏は2005年)。直接お会い出来なかったのは残念である。

 

 D-pcaについて探求を深めていく意味でもとても感慨深く思う。

 

<文献>

伊東博『カウンセリング[第四版]』誠信書房 1995

友田不二男『カウンセリングの技術-来談者中心法による-』1956

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