昨日、6日(金)はD-pca研究会。一月に一回集まって仏法、カウンセリング、パーソンセンタードアプローチ等に関することを話し合っている。それぞれ自分を通したところの話し合いになっていくところがおもしろい。もちろんメンバーの個人的なことも話されていく時もある。
今回は、私が体験した松江でのブレイジャーさんの講演会とワークショップについて共有した。ワークショップの中でおこなったペアでする体験学習も紹介した。テーマは、Other Centred Approach。日本語にはどう訳すべきか。「他者尊重のアプローチ」、「他者志向アプローチ」、「他者に焦点をあてたアプローチ」とでも訳せるかと思う。
クライエント自身の個人的な内面探求に焦点を当てるというよりも、どちらかというと、クライエントにとっての重要な他者に焦点を当て、その他者を理解することを援助していくアプローチというと良いかと思う。
氏はこのように述べている。「クライエントが自分自身を探求するよりも、クライエントにとっての他者を探求することに、より重きを置きます。」(当日資料より、大澤美枝子さん訳)
ワークでは次のようなことをした。ペアになり、話し手と聞き手を決める。話し手はまず自分の今身につけているものの中から誰かと関係のある、あるいはゆかりのあるものを選んでそれについて話しをする。聞き手は、それに関心を持ち、自分を付け加えないで、受容的に聞く、誘導質問はしない、オープンクエスチョンを心がけて聞いていくようにする。時間は7分間。
氏のワークショップで私が行った時の感想だが、まず、他者と関係のあるものに目を向けることの新鮮さに目が行く。案外難しかったりもする。知らない間に他者との関係に遠ざかっていることに気づいたりする。話しが続き始めると結構気楽に話せておもしろくなってくる。聞き手も楽に聞ける。次第に話している本人も登場する他者もみんなに受容の目が注がれていく。そんな感じだった。この研究会の中でメンバーの感想を聞いていると同じくそのようなものであったように思う。
これは自分の気づきだが、私自身もカウンセリングの中でよく行っているとも思った。クライエント中心療法の訓練では感情に焦点をあてることを大事にしていくが、私はそもそも感情だけが人間ではなく、いろんな知覚や事柄やいきさつも大事な自分の一部であり、クライエントはそれを楽しげに語ることが多く、そこに注意を向けていると心が緩んでくる経験を持っている。広くクライエントの見ている世界(いわゆる「色、しき」)につきあっていることが大事だし、このところその面白さを味わっていただけに、大変興味深かった。意識化出来たような気がする。グループにおいても私のしているのはいわゆるエンカウンターグループとはちょっと違うな、ひょっとしてかなり違うなと思い始めているのだが、やはり、このあたりと関係しているように思えた。
その後は、椅子を使って大事な他者に登場してもらい。椅子を感覚にマッチするように配置してその人について語ってもらうということを紹介した。時間の関係でひとつデモンストレーションするだけになったが、これもすごくおもしろかった。なんとなく軽くて自然なところが良かったし、いろいろな気づきが起きることも体験した。
とまあ、こんな具合。いつも味合わせてもらうが、メンバーが生き生きしていて反応も一杯もらって今回も楽しいひとときであった。
次回は、6月3日(金)。椅子を使ったワークをみんなで行うことになると思う。
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